これまでTREZOR(トレザー)とMetamask(メタマスク)の併用はできないものでした。
が、とうとうMetamask側がハードウェアウォレット対応を行い、
今回のアップデートにてTREZORとの連携ができるようになりました。
Heard the news? Trezor was integrated into MetaMask!
Explore all the possibilities with #Ethereum and smart contracts seamlessly from the popular app, while keeping your coins and tokens secure with #Trezor!
Thanks @metamask_io!https://t.co/119HsTi3wV pic.twitter.com/ONdDPv72Dj
— Trezor (@Trezor) August 8, 2018
これでTREZORで管理するウォレットをインポートできるので、
利便性が向上しましたね。
Metamask的にはセキュリティを維持したままこれまでどおり便利に利用することができる、
一つの選択肢を得ました。
コンテンツ
Metamaskのアップデートにより、TREZORとの連携が可能に
TREZORの公式ブログでの発表にて、MetamaskがTREZORに対応しました。
どっちかというと、TREZORが対応っていうよりはキツネのほうが対応したって感じです。
まあ両社お互いにメリットはあるんじゃないでしょうか。
ÐApps? Smart contracts on Ethereum? Use Trezor with MetaMask!

そもそもMetamaskとは、
ウォレット、というよりはウォレットをインポートして、
ウォレットにインターフェースを加えてくれるアプリケーションです。
例えば、着金用アドレスを表示したり、
イーサリアムやトークンの送金をおこなったり、
をすることができます。
もちろんMetamaskでウォレットを新規作成することもできますが、
既存のイーサリアムウォレットの、秘密鍵やjsonファイルを使って既存ウォレットのインポートをすることもできます。
Metamaskについてはこちらの記事で詳しく書きまくってます。
で、これまで秘密鍵やjsonファイルがあればウォレットをインポート可能だったんですが、
TREZORなどのハードウェアウォレットは不可能でした。
なぜなら、
TREZOR内のウォレット毎の秘密鍵は、ユーザー側からは確認できないようになっているからです。
「ええーTREZORのセキュリティもほしいけど、Metamaskの利便性もほしいンゴー」
という意見も前からいろいろ出てたんですが、
それは叶わぬ夢として闇に葬られていました。

まあそんな葬られていたものが、最近になって掘り返された感じです。
やっぱあれ、やっとく?みたいな。
まあそのへんのノリは知りません。
これまではハードウェアウォレット=ガチホ用だった
じゃあ今回のMetamaskのTREZOR対応が何を生み出すかというと、
MetamaskでアクセスするようなDApps等にて、
TREZORウォレットを使うことができるようになります。
これまではTREZORなどのハードウェアウォレットを使うケースは、
ほとんどが入出金を行わないようなガチホ用のケースが多かったように思います。
だって、送金するたびに承認のためにハードウェアウォレットをPCにぶっ刺してなんか、
毎回やるのは面倒ですもんね。
なので入出金の激しいユーザーなどからは特に敬遠されてましたし、
ハードウェアウォレットユーザーも、
入出金するウォレットは別で少額で保管してたりしてました。
それがどのぐらい変わるのかわかりませんが、
もしかしたらDAppsでのセキュリティを懸念してTREZORウォレットを連携したMetamaskを利用するユーザが増えるかもしれません。
ちなみに、送金時はどちらにしろハードウェアウォレットにて認証をする必要があるので、
送金時の手間はこれまでのTREZORと同様です。
ただ、一度連携すれば、TREZORウォレットをMetamaskで閲覧することはできるので、
以前よりは便利になったとは言えるでしょう。
秘密鍵はTREZOR内にしかないので安全
ちなみに秘密鍵ですが、
これは通常のケースは秘密鍵をMetamaskにインポートなどして利用しますが、
TREZORの場合は、MEW同様、秘密鍵自体は保管されません。
Moreover, since Trezor guards your private keys, you no longer need to rely on MetaMask to keep your keys safe. Your keys remain only in your Trezor, protected by the hardware.
よってセキュリティはこれまでどおりのTREZORと同様なので、
Metamaskと連携したからといって危険にさらされるということはないそうです。
MetamaskでのTREZOR連携方法
簡単に連携方法を解説しておきます。
Metamask起動後、アカウントアイコンをクリックします。

メニューが表示されるので、
{Connect Hardware Wallet」を選択します。

別画面に移動するので、TREZORをPCに接続してから、
{CONNECT TO TREZOR」をクリックします。

ここからはMEWとほぼいっしょ。
「Export」します。

ウォレット一覧が表示されるので、
接続したいウォレットを選択し、「UNLOCK」。

これでTREZORウォレットをインポートできました。

新しいMetamaskでの送金・着金も簡単
なんかインターフェースもだいぶ新しくなりましたよね。
久々に使ったのでいつからかわかりませんが。
「振込」「送金」から入出金が可能です。

Metamaskに入金する場合
「振込」ボタンをクリックすると下記のような画面が現れます。
「アカウントを見る」から入金用アドレスを表示します。

表示されたのが、接続したTREZORウォレットのアドレスです。
ここに送金します。

Metamaskから送金する場合
送金は「送信」ボタンから行います。

- 送信先
- 金額
を入力して「次へ」から進んで送金していきます。
実際送金はめんどうなのでやってないのでこっからは適当に下記を頼りにこなしてください。

デバイス側のユーザビリティ向上が鍵
みたいな感じで。
特に革命的なことでもないんですけど、
まあだいぶ前からできたらいいなあと思ってたことだったので、個人的には嬉しいニュースでした。
ただ今後、ハードウェウォレットがこれ以上発展していくには、
こういったDApps等のユースケースでも使われていくことが必要かなと思います。
そうなると、現状はLedgerにしろTREZORにしろ、
USBコードとデバイスを準備してPCに接続して、
という一連の行為が面倒なので、爆発的な普及は見込めません。
そうなると、
もっと違う形でのハードウェアウォレットというものが今後は主流になるんじゃないかなと思います。
まだ出てきてないけど。
デザイン的にはね、Digital Bitboxとか、CoolWalletとか悪くないんですけどね。
惜しいですね、結局LedgerやTREZORほどにも至らないので。
なので、もっと気軽に使えるけど、これまでどおり秘密鍵のセキュリティは維持されたような、
革新的なハードウェアウォレットの登場を期待します。
それまでは、TREZOR Model Tをオススメします。
で、買うならMyHardwareWalletをおすすめします。